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2016年3月13日 - 2016年3月19日

2016/03/17

金型への路(みち)・・・(その七)

金型モデルデータを作成しました。

20160317 Mold

この画像はコア側です。

コア側」は他に「突き出し側」とか「可動側」とも呼ばれ、英語では「Movable Side」といいます。
コア側の逆はキャビティ側(「固定側」「Stationary Side」)です。
これらは金型を使ってプラスチック製品を成形する「射出成形機の構造」に由来する名称です。

射出成形機の金型を取り付ける部分を「プラテン」と呼びますが、プラテンは対向している二枚の分厚い金属板で、「タイバー」という太い金属棒で接続されています。
プラテンの固定されている側を「固定側」、タイバー上を動く側を「可動側」と呼びます。

熱で溶かされたプラスチックは固定側から金型に流れ込み、冷えて固まった後に可動側が動いて金型が開かれ、可動側にある突き出し装置で金型から取り出されます。

上記の金型に関する説明は一般的な構造の金型について説明したものです。
Fi-Dia Block(s)は非常に一般的な金型構造になっています(^_^ゞ

「金型」や「射出成形機」で検索をかけてみると一般的ではない構造も含めて色々と出てくると思います!

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さて画像についての続きです。
製品部分は金型の形状(製品の反転形状)になっていますが、ランナー形状はまだ処理(引き算)をしていません。
足パーツの対称形状もまだです。
これらは差演算(ブーリアン演算の引き算)や反転コピーをすれば簡単に作れるので、調整後の最後の工程で実施します。

おなかパーツとお尻パーツ部分の拡大図をご覧いただきましょう。

2016031602_mold

製品では穴になっていた♀ボールジョイント部分が凸形状になっています。

前回金型への路(みち)・・・(その六)にてアンダーカットのお話をしました。
Fi-Dia Block(s)ではアンダーカットの処理(スライドやスラントなど)はしていないとお話しました。

実は、Fi-Dia Block(s)の♀ボールジョイント部分はアンダーカットになっています。
アンダーカットが無ければボールジョイントのギュッとした勘合は起きません。
アンダーカットの処理にスライドやスラントは使っていませんが、Fi-Dia Block(s)では「無理抜き」に近い処理をしています。
ココで詳しくはお話しませんが、無理矢理アンダーカットを抜いても成形品に問題がでないように少し工夫をしています

今回の画像はまだまだ作業の途中です。
調整作業や更なる金型部品分割をしなければなりません。

次回は何を見ていただこうかなぁ?

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2016/03/16

金型への路(みち)・・・(その六)

黒歴史の解説後に一息ついていた…訳ではなくて、地味な作業をしています。

金属でできた金型を機械加工するために、金型そのものの3次元データが必要です。

金型のモデルデータをCADを使って作る理屈は非常に簡単で、四角い立体(金型の外観)から製品形状を「引き算」して、二つに分ける…だけです。

言葉で書くと本当に簡単ですねぇ。

特にFi-Dia Block(s)の金型は複雑な構造を作らないようにしています。
コストダウンはもちろんですが、複雑な構造を入れてしまうとフレームに収めるパーツの数が減ってしまいます。

それは金属は固いからです。固いのは当たり前ですが(^_^ゞ

ガレージキットの型で良く使われる「シリコン」は軟らかい材料です。
型からまっすぐに抜けない形状を「アンダーカット形状」といいますが、アンダーカット形状があってもシリコン型は軟らかくて変形するので型から製品を取り出すことができます。

しかし金型は金属でできているので固く、変形しません。

アンダーカット形状を金型で作る場合は「スライド」や「スラント(傾斜突き出し)」などの構造を使います。
しかしスライドやスラントには動くためのスペースが必要で、この部分にはパーツを設置できません。
そのため、フレーム内に配置できるパーツ数が少なくなってしまいます。

自動車や家電の部品用の金型では一般的にスライドやスラントを使用します。
また、ペットボトルのキャップのような「ネジ形状」もアンダーカット形状なので、金型部品を回転させて抜きます。
場合によっては「無理抜き」なんていう「成形品を変形させて金型から無理やり抜く」なんて方法もあります。

市販のプラモデルをよーく見てみて下さい。
アンダーカット形状があるか、ないか。
アンダーカット形状があった場合にフレームのどの位置にあるか、などなど。
模型雑誌にも金型の写真が出ることがありますが、じっくりと見てみるのも面白いですよ!

さて、話題がずいぶん脱線しましたので、Fi-Dia Block(s)の金型の話に戻しましょう。

今回の二枚の写真は2016/03/01の記事「金型への路(みち)・・・(その四)」で掲載した「2次元パーツ配置図」と、金型設計とモデリングを進めている現時点(3/16)での「3次元パーツ配置モデル」です。

いくつかパーツが入れ替わっていますが、ところどころでパーツの配置(向き)が替わっていると思います。
より詳細に金型設計と3次元データをモデリングを進める過程で修正が進んでいます。

2次元で検討している段階でも3次元的な検討をしていますが、いざ3次元データを作成してみると色々な問題が出てきます。

さすがに慣れているので(^_^ゞ大きな変更はないと思いますが、細かな修正はまだまだ続きます…

金型モデルの画像も公開する予定ですので、お楽しみに(^_^)/~

20160301 Fig Std135 Drawing

20160316 Product 3D

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2016/03/13

ボールジョイント式可動ブロックトイフィギュアの開発の(黒)歴史(その五・完結?)

修正の変遷(2014~2016.03)
【修正の変遷(2014~2016.03)】

左から順に
「モデロック(アトリエ彩) フルメタルパニック アーバレスト」
「頭頂高165mm(1/10)版」
「頭頂高135mm(1/12) 2015年末版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年1月版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年3月版(現状)」

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3Dプリンタの造形品を製作したことで外観形状や可動範囲の確認だけでなく、パーツ単体の強度を確認することができました。
光造形品はインジェクション成形品にくらべて少し脆いのですが、それにしても肉厚0.4mmはやりすぎでした(^_^ゞ
造形品を初めて組み立てたときにいきなり破損破壊してしまいました。

強度が低いことは予想していたので予備のパーツを作ってはいたのですが、さすがに凹みました…orz

破損したパーツは上下の胴体を繋ぐ♀ジョイントで、これは特に強度が必要なパーツです。
胴体に収める時に小さくしたのですが、Fi-Dia Block(s)規格の基本形状に戻すべく検討を重ねました。
最終的にはパーツや保持力に影響する寸法を基本形状と同じ7.8mmに設定することができました。

20160313 Body-joint compare

画像は左から2015年末版、2016年1月版、2016年3月版と右端は3/13現在の形状です。

左右の出っ張りは胴体パーツとの接続用ボスです。
スペースの関係で接続部ボスをφ3mmからΦ2mmに変更していたのですが、強度や拡張性の観点からΦ3mmに戻しました。
前後の胴体パーツのように決まった組み合わせは別として、ボールジョイントはφ5mm、軸はφ3mmで統一しておいた方が使い勝手が良いですからね。

また股関節の構造についてはずいぶん悩みました。

もともと股関節は二重関節だったのですが、二重関節では組立性が悪く、足の位置決めもしづらいのではないかという懸念がありました。

二重関節の胴体基部パーツと脚パーツを繋ぐ♂ジョイントパーツは二個の♂ボールがまっすぐに繋がっているわけではなく、くの字状の棒で繋がっています。

20160313 Fig Std135 Body-leg-joint

これは足パーツの可動範囲を広げるためと、♂ジョイントパーツの位置によっては1軸が固定されることで組立性の向上を狙ってこのような形状になっています。
ちなみに肩の二重関節も、形状は違いますがくの字状になっています。

しかし♂ジョイントパーツは胴体パーツと足パーツの間にあり、パーツも小さいので、直接触って「♂ジョイントパーツの向きを変える」ことが難しいです。

そこで多少可動範囲が犠牲になるものの、♂ジョイントパーツの一方を固定した構造を検討しました。

検討を重ねた結果、最終的には可動範囲を重視して股関節は二重関節のままとしましたが、この時に作った固定用パーツのモデルデータは頭部構造の再検討で活かされることになり、思わぬ副産物となりました。

20160313 Fig Std135 Head-base

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2013年の作り始めから2016年3月初旬までの女の子フィギュアの経過報告は以上です。

現在、組立性の向上や人の自然な動きの再現、綺麗な(中の人好みの?)シルエットなどを目指してさらなるブラッシュアップを続けています!

引き続き当JointFactoryブログJointFactoryホームページにて進捗の報告をしていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

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